国際公募「ライフサイエンスおよび宇宙医学分野の国際宇宙ステーション利用実験テーマ」に選定されました

2015年5月13日 トピックス

 平成27年4月28日(火)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)より、国際宇宙ステーション利用実験の国際公募について、本学生命環境学部生命工学科の若山照彦教授、若山清香特任助教らのテーマが、平成28年~平成29年頃の宇宙実験実施候補に選定されたことが発表されました。

 選定されたテーマは「Early mammalian embryogenesis under microgravity in space(微小重力環境下での哺乳類初期胚の発生能について)」で、凍結したマウス初期胚を国際宇宙ステーションに運んで培養し、胚が無重力状態や宇宙放射線を浴びても正常に発育できるのかを調査し、将来人類や家畜が宇宙で子供を作ることが可能なのか明らかにするものです。

 本研究は明治大学 長嶋比呂志教授、東京医科歯科大学 石野史敏教授らとの共同研究です。

 開発を担当する若山清香特任助教は「哺乳類の初期胚は非常に小さく、宇宙飛行士が無重力で実験することはあまりにも難しいため、今まで誰も成功したことがありません。つまり、このプロジェクトが成功するかどうかは、我々が出来る限り自動化した培養装置を開発できるかにかかっています。すでに予備実験では成功しており、今後、よりシンプルで再現性の高い培養装置を開発することで、世界初の宇宙でのマウス胚の培養実験を成功させるつもりです。」と話しています。

 2014年国際公募ライフサイエンスおよび宇宙医学分野の国際宇宙ステーション利用実験テーマ募集の候補テーマ選定結果HP:
http://iss.jaxa.jp/kiboexp/participation/application/2014_selected_theme.html

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宇宙飛行士が簡単に初期胚を培養できる装置の開発
(初期胚は0.08mmしかなく、顕微鏡を使わなければ見ることも触ることもできません。無重力の宇宙ステーション内で、顕微鏡を使わずに初期胚を解凍、洗浄、そして培養することができる装置を開発しています。)

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試作中の装置で発生したマウスの胚盤胞
(顕微鏡もマイクロピペットも使わずに凍結2細胞期胚を胚盤胞まで培養することに成功しました。)