講演会「平穏死」を開催

2016年10月20日 トピックス

 平成28年10月13日(木)、医学部キャンパスにおいて、世田谷区立特別養護老人ホーム芦花ホーム常勤医の石飛幸三先生をお招きし、「平穏死」と題した講演会を開催しました。

 この講演会は、附属図書館医学分館内に常設されている「生と死のコーナー」の関連行事(平成28年度附属図書館医学分館地域貢献事業)として実施されたもので、当日は医学生、教職員、地域の医療関係者、一般の方など約200名が聴講しました。

 石飛先生は、かつて東京都済生会中央病院の血管外科医として最先端の医療に携わり、一転、特別養護老人ホームの常勤医に転身されました。医師としてのこれまでの経験を踏まえ、特別養護老人ホームでの看取りの考え方を説き、入所者の穏やかな最期(死)を見つめてきた視点で事例を交えながら、老いに対して医療はどこまで介入するべきなのか、「平穏死」のすすめについて講演されました。

 会場では、熱心にメモを取る方やうなずきながら聴き入る方が多く見られ、最期が近づいた方のために、ホームの職員がご夫婦の結婚記念日のサプライズパーティーを開いた動画を紹介した時には、目頭をおさえる姿が見られました。

 参加者からは多くのメッセージが寄せられ、「人の生き方、意味ある医療について改めて考える機会となりました」「まだ学生ですが、患者さんに本当に必要な医療とは何なのかを考えるきっかけとなりました」などの感想がありました。