教育学部の上原究一准教授が東方学会において東方学会賞を受賞
2016年11月16日 トピックス
平成28年11月5日(土)、京都市国際交流会館(京都市左京区)で開催された東方学会平成28年度秋季学術大会において、教育学部の上原究一准教授が東方学会賞を受賞しました。
東方学会はアジア全域を研究対象とする哲?史?文の三分野を包括した総合学会で、東方学会賞は最近2年以内に機関誌『東方学』に掲載された論文およびそれと関連する研究活動において示された優秀な業績に対して与えられる、関連分野において最も権威ある賞の一つとして名高いものです。
受賞対象となったのは、『東方学』第131輯(平成28年1月)に掲載された論文「明末の商業出版における異姓書坊間の広域的連携の存在について」です。
従来の研究では、前近代の中国の商業出版においては親戚同士が営む書坊(出版業者)間での業務提携の事例ばかりが周知され、江戸時代の日本に見られるような血縁関係にない書坊間での提携の事例はほとんど知られていなかったのですが、この論文では、南京と福建という遠く離れた地域をそれぞれ拠点とする互いに血縁関係にない書坊同士が、長期に渡って業務提携を結んでいたと認めるべき事例を指摘しました。
この指摘が出版文化史研究上重要なものであり、当時の商業出版における主力商品であった白話小説?通俗医書?日用類書?挙業書などの制作過程についての研究にも大きく貢献するものであると評価され、今回の受賞に繋がりました。