井上克枝 医学部教授らによる研究論文がBlood誌に掲載されました。

2016年4月28日 トピックス

 井上克枝 医学部教授(臨床検査医学講座)らによる研究が、血液学において最も権威ある雑誌「Blood」(米国血液学会)の「Inside Blood Commentaries」(エディトリアル)2016年3月論文掲載号に取り上げられ、さらに表紙も飾りました。

 内容は、2006年に井上教授が発見した血小板?巨核球膜タンパクCLEC-2のノックアウトマウスについて、本学で日本学術振興会特別研究員として当研究に携わってきた田村彰吾博士(現:名古屋大学助教)が、血小板減少を示すことに着目し、CLEC-2を介した巨核球?血小板造血の調節機構の解析を行ったというものです。

 同誌ではその新規性の高さを評価し、研究論文が本号に掲載されました。

 田村博士は「今回の研究で、いまだ謎の多い血小板?巨核球造血の一側面が解明されました。本研究により得られた知見は、骨髄内造血微小環境の理解や血小板?巨核球関連疾患の病態解明に大きく貢献するものと思います。本研究の今後のさらなる発展が期待されます」と述べています。

【発表論文】

タイトル:Podoplanin-positive periarteriolar stromal cells promote megakaryocyte growth and proplatelet formation in mice by CLEC-2

著者:Shogo Tamura, Katsue Suzuki-Inoue*, Nagaharu Tsukiji, Toshiaki Shirai, Tomoyuki Sasaki, Makoto Osada, Kaneo Satoh, Yukio Ozaki (*: corresponding author)

掲載雑誌:Blood,31 MARCH 2016?VOLUME 127(13): 1701-1710

【Inside Blood Commentary】

タイトル:CLEC-2 and podoplanin, partners again

著者:Jianxin Fu and Lijun Xia

掲載雑誌:Blood,31 MARCH 2016?VOLUME 127(13): 1629-1630