齋藤典生クリスタル科学研究センター助教?武井貴弘同センター教授らの論文が、米国化学会誌に掲載され、Supplementary Cover Artにも採用されました

2025年2月14日 トピックス

 齋藤典生クリスタル科学研究センター助教?武井貴弘同センター教授と物質?材料研究機構?仏CNRSとの共同研究における学術論文が、米国化学会誌「Inorganic Chemistry」に掲載され、Supplementary Cover Artにも採用されました。
 論文の題目は「Unraveling the Origin of Unusual Cs Atom Disorder in Cesium Octahedral Molybdenum Halide Cluster Compounds, Cs2[{Mo6Xi8}Xa6] (X = Cl and Br)」です。
 本研究は、新しいセラミックス材料として注目されている八面体モリブデンクラスター錯体結晶Cs2[{Mo6Xi8}Xa6](Xはハロゲンアニオン)において、セシウム原子の配列乱れが生じる原因やそれらが発光特性に及ぼす影響を、放射光を用いた回折実験や第一原理計算などを用いて明らかにしたことが評価されました。
 齋藤助教らは、「本研究を契機に、金属クラスター錯体結晶の構造物性に関する研究の加速が期待されます。本論文で示した理論計算の手法は、原子の配列乱れや不純物を含有するなど複雑な結晶構造をもつ材料にも有効であり、金属クラスター錯体結晶の構造物性を予測する強力なツールになると考えられます」とコメントしています。